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NO。94 国民年金保険料の悪質未納者に強制徴収  (2003.8.18)
 
 社会保険庁は十分な所得があるにもかかわらず、国民年金保険料を納めない悪質未納者の1万人に対し本年中に預貯金などを差し押さえる強制徴収に乗り出すとの報道です。
 2002年度の国民年金の保険料納付率は前年度より8.1ポイント下がり62.8%と過去最低になりました。20代前半にいたっては54%と悪化です。
 未納者に未加入者や保険料の支払が免除されている人などを加えると、驚くなかれ
2200万人超の加入対象者の40%以上が保険料を払っていないことになります。まさに、国民年金制度は崩壊寸前の危険ラインに達しているのです。
 未納の増加理由は以下と考えられます。
 @ 長引く不況に加え厳しい労働市場の今日、保険料を経済的に払うのが困難な人が増えつづけています。
 A 国の一貫しない社会保障政策、2004年度の年金改正の向けての議論の中から見えてくる破綻寸前の年金財政、弱者いじめの年金改革試案など、に対し国民の不信感が充満しているのです。将来年金なんて貰えるはずがないと信じ、当てにしない学生や若者達が増えています。
 B 2002年度からの地方分権一括法に沿い、保険料の徴収義務が市町村から全国312ヵ所社会保険事務所に移管されました。
 C 社会保険事務所は人員不足を理由に、年6回の督促状の発進と、民間のテレ・マーケテイング会社に電話での督促業務を委託、これまで全国3300市町村できめ細かく行なわれていた督促業務はおざなりのお役所仕事に大幅後退してしまいました。
 D 保険料免除には障害者や生活扶助を受けている方に対しての「法定免除」と、保険料を納めることが著しく困難な方が申請する「申請免除」がありますが、社会保険庁が免除基準を厳しくしたため、2001年度には277万人が全額免除を認められたのに、2002年度には約半減の144万人となりました。こうした方も、行き着く先は未納しかなかったのです。
 
 国民年金は20才から60才までの自営業者や学生が入る年金という性格と同時に「国民皆年金制度の基礎年金」の顔の一面も持っています。国民年金の空洞化は、この基礎年金制度を通して国民年金へ資金を拠出するサラリーマン等が加入する厚生年金の負担増につながります。国民の義務として年金を真面目に払いつづけている人、保険料が給与から強制的に天引きされるサラリーマン等や保険料の半額を負担している事業主の不満・不信は爆発寸前です。
 このまま、国民年金の空洞化を放置しておくことは、厚生年金や共済年金を含めての我が国の年金制度の崩壊につながる危機であるのです。
 
 13年ぶりの保険料の強制徴収です。13年前の強制徴収で実現したのは、たったの5件のみとのことです。来年度の年金改正に向けて国民の不信・不満の目くらましのパフォーマンスで終わらないよう、大山鳴動して鼠一匹とならぬよう祈ります。
 アメリカにこんなジョークがあります、「将来年金を貰えると信ずる若者より、UFOの存在を信ずる若者の方が多い」。根本的な、国民の不信感払拭が必要なのではないでしょうか。


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