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NO。91 個人再生法  (2003.7.28)
 
  「昨年1年間に全国で自殺をした人は、一昨年より1001人多い32143人、5年連続で3万人を超えた」と、察庁庁が24日発表しました。特に借金などの「経済・生活問題」が動機と見られる自殺が過去最高、「不況の長期化で借金を繰り返し、最後は生活の行き詰まりで死を選択せざるを得なかった人が増えている」と見られています。
 
 時同じくして法務省は、経済的に破綻した個人債務者が破産せずに経済・生活の再建を図る「個人再生法(制度)」について、
現行では3千万以下に限定されている「住宅ローンを除く負債総額を5千万」に緩和する方針を決めたとの新聞報道です。
 暗い世相を背景に
個人再生の裁判所への申し立て件数は、2001年の約6千2百件から2002年には約1万3千件と倍増しており、本年に入っても増加の勢いは止まりません。
 これまでは、住宅ローンやサラ金などの多額の借金をかかえている個人債務者にとって、1)自己破産の申し立て、2)特定調停の申し立て、3)任意整理の3つしか選択肢がありませんでしたが個人再生法施行により新たに2つの選択肢が加わりました。
 
 
 個人再生法(制度)は
、2001年4月に民事再生法の中に、@住宅ローンの特則、A小規模個人再生、B給与所得者等再生として新設されました。
 @では、住宅ローンをかかえた個人が、できるだけ持ち家を手放すことなく再生を図れるように住宅ローン返済の繰延べが行なえるようになりました。
 AとBに共通するのは、住宅ローンを除く債務の合計が3千万以下の個人が対象です。破産をせずに簡易・迅速に再生できるように、また債権者にとっては破産手続きより多くの債権回収ができることを目的としています。個人は持ち家を手放すことなく再生を計画できます。最低返済額は住宅ローンを除く負債総額の20%以上で100万円以上300万円以下と決められており、これを原則3年以内に払うことで残りの債務が免除されるのです。Aは、自営者などのように定期的な収入の見込みがあれば誰でも利用できます。その代わりに、債権者の半分(頭数または債権の金額)以上の賛成が必要になります。Bは、サラリーマンや年金受給者のように定期的に安定した収入を見込める人を対象とします。収入から生活費などの支出を引いた可処分所得の2年以上の金額を原則3年で返済することが要件になります。債権者の同意は不要であり、手続きはAより一層簡単です。
 
 再建型の「特定調停」か「個人再生」のどちらを選ぶかは、夫々のメリット・デメリットを充分考慮することが大切です。
 例えば、「特定調停」では高利息のサラ金等の債務を利息制限法に定められた18%(元本10万円以上100万円未満)の利息に引きなおして債務額を確定しますので、元利合計額は減りますが、負債元本額そのものを削減は出来ません。将来の利子はカットされます。書類が揃えば1〜2日で簡単に裁判所に申し立てが出来ます。一般的に、支払原資がある場合に利用されます。「個人再生法」では、負債元本額を大幅に削減できます。一般的に、支払原資が少ない場合に利用されます。書類が揃えば約2週間以内に裁判所に申し立てが出来ます。

 特定調停や個人再生法は破産を回避して個人債務者の経済・生活の再建を図るための手法なのです。
「裁判所への申し立て」とは法律にのっとり、裁判所にすべてを委ねることであり、その時点で債務の支払を一時的に止めることができ、債権者からの請求・取立てからは暫し解放されます。それにより、借金が頭痛の種であった喧噪の日々から平穏な安定した生活が取り戻せますし、結論に向けて生活のリズムを取り戻せる可能性を与えてくれるのです。
 「個人再生法」が破綻寸前の個人債務者に「転ばぬ先の知恵」になることを祈ります。 
 


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