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NO。86 国債バブル崩壊  (2003.6. 23)
 
 先週の東京株式市場は17日連続で10億株を超える活況な商いの内に取引を終えました。バブル経済最盛期1998年の20日連続の記録に迫る勢いです。日経平均株価は昨年12月3日以来約6ヵ月半ぶりに9100円台を回復しました。
 19日に大手銀行株が午後に入り突然の急落、市場に「国債バブル崩壊か!?」緊張が走りました。
 19日の東京市場では、2002年始めの約1.5%から一本調子で低下してきた長期金利(新発十年物国債の利回り)が、去る6月11日に過去最低の0.435%を記録したあと反転し、一時0.73%まで急上昇しました。長期金利と国債の市場価格はシーソーの関係ですので、それに伴い新発十年物国債の価格は前日より1円近く急落しましたし、長期金利が過去最低を記録した11日と比べると2円以上の下落となりました。
 
 国債は民間金融機関が全体の1/3・約180兆円を保有、そのうち銀行が約72兆円と10年前の3倍の水準、大手5銀行グループで約50兆円を保有しています。金融機関は常に暴落の影に怯えながらも、運用難から資金を国債に集中し、国債バブルとまで言われるくらいに国債価格が上昇し続けて来たのです。保有している巨額の国債が急落すれば巨額な含み損が生じ、銀行や生命保険会社の経営に悪影響をもたらし、金融不安につながる、との連想が働き大手銀行株の突然の急落につながったのです。

 昨年5月、米国の格付会社「ムーディーズ・インベスターズ」が日本の国と地方の長期債務の合計は約700兆円弱で対GDP(国内総生産)比約140%で、先進国中最悪の財政状態にあるとして、日本の国債の信用格付を2段階引下げ、ボツワナより低い格付の衝撃は記憶に新しいところです。ちなみにボツワナはアフリカ大陸の南アフリカの北部の内陸国であり目覚しい経済成長を遂げてはいますが、世界一の10万頭の象が生息する野生動物の宝庫であり、日本が最大の援助国でもあるのです。財務省は格付引下げの客観的理由に欠けると抗議し、米国や英国と同等のAAAが妥当とであると主張しました。
  * ムーディーズ・インベスターズによる国債格付け 2003.5.1現在
格付 主要国
Aaa(AAA) 米国,英国、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリア
Aa1(AA+) ベルギー
Aa2(AA) イタリア、ポルトガル
Aa3(AA−) 台湾
A1 (A+) チリ、チエコ、ハンガリー、ボツワナ
A2 (A) 日本、イスラエル、ギリシャ、南アフリカ、ポーランド
A3 (A−) 韓国,マレーシア
 * 先進国の債務残高の対GDP比率  2003年OECDの見通し
英国 米国 ドイツ フランス カナダ イタリア 日本
51.6% 57.6% 60.9% 65.7% 96.2% 103.1% 152.0%
 
 平成14年度の国債発行計画は140兆円であり、当面、高水準の発行が続きます。
その引受けは金融機関に頼らざるをえない現状にあります。積極的な金融機関の引受けがなければ、国債価格は下落する可能性があります。

 国債価格に低下の兆しが見えると金融機関は保有する国債の売却を急ぎ、下げが下げを呼ぶ暴落の可能性があります。また、最近の株式市場の活況で債券市場から資金のシフト、デフレ経済が底を打ち金利上昇の兆しの可能性等の要因で国債価格の暴落の不安は暗雲のごとく日本経済を覆っているのです。 



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