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NO。81 日本生命の不当表示  (2003.5.19)
 
 「生命保険会社が契約者に約束した予定利率を破綻前でも引き下げることができる法改正」が、今国会に提出される雲行きになってきました。金融庁が予定利率引下げを持ち出すのは実はこれで3度目です。最初は3年前、相沢金融再生委員長が口火を切ったが頓挫、2度目は一昨年夏、引下げに向けて業界との調整にまで入りましたが、金融庁の指導をよそに業界一斉に引き下げを望む下位生保とこれを突っぱねる上位生保との確執の末にまとまらず制度導入が見送られてしまいました。
 新らしい制度は、「経営危機に陥り保険金支払の不安がある生保に対して破綻の前でも予定利率引下げを認め、逆ザヤの重荷を軽くし破綻を回避しようとするものであり、同時に契約者が動揺して解約に走らぬように、解約を一定期間制限する」という筋書きのようです。
 生命保険会社が破綻をすると株式を持ち合っている金融機関にも大打撃、また国債の大量消化先が消える等の金融危機が懸念されます。
金融庁は、いわゆる「逆ざや」と「株安による含み損」により、このままでは上位生保といえどもすべての生保の経営危機が来ると法改正になりふり構わずの感がします。
 「逆ザヤ」とは、生命保険会社が契約者に約束した予定利率(運用利回り)が株価低迷などの環境下で運用難に陥り企業が埋めなければならなくなった穴埋め損失であり、現状では主要10社で約1兆4千億円にもなっているのです。また「株安」により各社の株式含み益は日本生命以外はマイナスになってしまいました。ちなみに株式含み益がゼロになる日経平均株以下の通リ。
日本
生命
第一
生命
住友
生命
明治
生命
安田
生命
朝日
生命
三井
生命
大同
生命
太陽
生命
富国
生命
7900 9300 11700 8700 10500 12500 12000 9000 10000 10000

 時同じくして、5月10日の新聞報道によりますと、「日本生命の販売する“がん保険”の表示に誤解を招く不当表示があり、公正取引委員会が改善命令を出し、さらに金融庁が保険業法違反の疑いで調査に入りました。がん保険の入院給付金についてがんと確定した日か、がんの手術が行なわれた日から入院給付金が払われるのに拘らず入院1日目から日額1万円を支払うとパンフレットに表示や説明をし契約者の誤解を招いていたいうことです。」
 日本生命は「二度とこのようなことがないよう再発防止に取り組みます。」とご迷惑をお詫びいたしました。
 実は、2年前の11月にも同じような事件が有りました。
 金融庁が日本生命保険など数社の「風評営業」に警告を出しました。競業他社の経営内容についての資料を作成し、「あの会社は危ない」と顧客の不安を煽り保険契約の乗り換えを勧めていたとのことです。客をだまして下位生保を食うという、まさに弱肉強食のピラニアの世界、ルール無視の「仁義なき戦い」です。  

 
生命保険会社を「信用して契約したらだまされていた」「私が死んだら3000万の死亡保険金がある」と信じていたら「じつは申し訳ない会社の危機で2000万円にして欲しい、でなければ保険料を大幅に上げて欲しい」と慇懃無礼にのたまう。まさに「約束違反」であり財産権侵
であります。
 国民は1400兆円の金融資産を保有しているお金持ち、国民に少し痛みを押し付けよう、泣いてもらおうという狙いが見え隠れします。国民の汗と涙の1400兆円を巡る攻防が高まりつつあります。つつましく蓄えてきた資産が狙われ消える時代がきたのです。
 


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