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NO。79 年金改革はいよいよ聖域へ  (2003.5.5)
  2004年の年金改革に向けて、「支給中の年金減額」「遺族厚生年金への課税」などが議論のテーブルに上がり始めました。
 既に受け取っている年金は決して減額されることなく保障される「既得権」と近い将来年金がこれまで通リ支給されるとの「期待権」は、国が国民に保障した2大権利としてこれまで聖域視され、既に年金を受け取っている高齢者は保護され、これから年金を受け取る人を対象に制度が改正されてきました。そうしないと国の政策・施策に対する国民の信頼は根本から崩れてしまいます。
 
 しかしこの4月から、ついに既得権に実質的にメスが入りました。
 これまで国民年金や厚生年金は消費者物価に連動して増減する制度があり過去の右肩上がりの経済成長時代は、年金は毎年改定され値上げされていましたが、一転してのデフレ経済下では物価下落分だけ年金は減額すべきところ高齢者に配慮してその給付は減額せずに3年間据え置かれてきました。スライド制ができた時代には減額につながるとは予想だにもされていなかったのです。

 しかし、国はもはや背に腹変えられず、これまで凍結していたスライド制を解禁し、この4月から過去3年では下落率2.6%だがそのうち昨年の0.9%分のみを反映させ年金の減額に踏み切ったのです。その結果、厚生年金のモデル世帯(夫40年加入/妻は専業主婦)で月額約2140円・国民年金で夫婦で約1200円の減額となりました。

 昨年末に厚生労働省からレポート「年金改革の骨格に関する方向性と論点について」が発表されました
 このレポートは2004年の年金改革に向けての今後の議論のたたき台としてとりまとめられ、次の2つがその方向性と論点の焦点になっています。
 1) 年金制度の体系は「社会保険方式・賦課方式」といわれる現行体系を維持して行きながら、、安定した財源を確保して、基礎年金(国民年金)の国庫負担率を現在の1/3から1/2に引き上げ、年金財政を安定させ将来の保険料値上げを押える。
 2) これまでの、「5年ごとに年金財政を再計算し直し将来の給付水準や保険料水準を見直す方式」から「最終的な保険料水準を定め、その負担の範囲内で給付を行ない給付水準が自動的に調整される方式」に改める。
 そして、2)の新しい方式では、@保険料水準を見直しながら現行の給付水準を維持する「給付水準維持方式」とA最終的な保険料水準を定め、その範囲内で給付水準が自動的に調整する「保険料固定方式」が論点になっています。
 @の場合、厚生年金の保険料は年収ベースで2030年ごろから23.1%に、国民年金の月額保険料は2016年度以降20500円。Aの場合は、厚生年金の保険料を段階的に引き上げて20%に固定し、給付水準は現役の手取り賃金比を現行の59%から52%に引き下げるとしています。

 「止まるところを知らない超少子高齢化とおくれる少子化対策」、「年金財政の悪化を放置し抜本対策をなおざりにしてきた国」、そして「既得権・期待権にしがみついてきた私たち」。今こそ、過去のツケを精算しなければならない時に来ているのではないでしょうか。
 



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