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NO。70 総報酬制が4月から始まる  (2003.3.3)
 いよいよ4月から、サラリーマンの厚生年金や健康保険(政管)の保険料が下図のように、月給とボーナスを合計した年収(総報酬)を基準に徴収されるようになります。 
 厚生年金  従前方式 総報酬制   健康保険 従前方式 総報酬制 
月 収 17.35% 13.58% 月 収 8.5% 8.2%
ボーナス  1% 13.58% ボーナス 1% 8.2%
労使折半 国0.2%:企業0.5%:本人0.3%  労使折半
                   注意健康保険は40才以上は介護保険料率が加わります。
 
月給に対する保険料率はそれぞれ少し下がりますが、ボーナスに対しての料率は大幅にアップし両方から同じ料率で徴収する仕組みになるのです。したがって年収に占めるボーナスの割合が高い人ほど年間の負担は大幅に増え、低い人の負担は減ります。保険料は労使折半ですので企業にも大幅な負担増になる場合が生じます。
 
 厚生労働省は厚生年金では「月収とボーナスの比率が平均的な人は年間の保険料負担は変わらないでしょう」と説明しますが、社会保険庁の説明によれば中小企業の従業員が対象の政府管掌健康保険の場合は少々負担増となるとのこと、合計すれば実質負担増、手取りの減少になるのです。
 
 
総報酬制になって負担が増えるか減るかの分岐点は、ボーナスが月収の約2.5ヶ月分の場合と試算できます。
 実際、年金と健保の年間の保険料本人負担はどう変わるのでしょうか。下図で月給30万円・50万円の2例を見てみましょう。
ボーナス 月収の2ヶ月分 ボーナス 月収の5ヶ月分
月給 30万円  負担  約12,0000円  負担  約78,000円
月給 50万円  負担  約21,000円  負担 約130,000円
 
 
総報酬制はボーナスが高いマスコミや金融などの大企業の従業員は、年収が同じ程度でも保険料が少ないという不公平感を払拭するために導入されたのですが、本当の狙いは総保険料のアップが狙いのようです。
 しかし、保険料を折半負担している特に大企業にとっては頭の痛い問題、さまざまな「あの手この手」が考えだされています。
 例えば、総報酬制では保険料を算定する上限額が下図のように設けられます。 
月 給 ボーナス
 厚生年金   62万円  1回あたり 150万円
 健康保険  98万円 1回あたり 200万円
 ボーナスを年2回、150万円づつ支給するとそれぞれに保険料が徴収されますが、年1回にまとめて300万円を支給すれば上限を超えた分には保険料は掛からないことになります。また、ボーナスを12分割して月給に上乗せして支給すればボーナスの保険料を減らすことができるのです。
 
 
総報酬制は賃金体系を変えると共に、その流れを大きく能力給や成果主義に変えていく力として働くでしょうし、ボーナスを当てにしてローン返済を計画することは禁物になるなど、サラリーマンの生活設計をも大きく変えることになるかもしれません。
 
まずは、5月に支給される月給支給明細書を、夏のボーナス支給明細書をお楽しみにしましょう。



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