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NO。62 インフレターゲット  (2003.1.6)
 
 デフレからの脱却の兆しもないままに日本経済は2つの象徴的な数字を背負って新しい年を迎えました。

@昨年末の日経平均株価は終値は8578円95銭、年末に9000円を割り込んだのは1982以来20年ぶりです。さらに、2〜3月には7000〜8000円台の底値を探ると専門家は見ます。株価は底を割って限りなく下落のスパイラル状態です。株価は景気回復の先行指数とするなら、日本経済はまだまだ無限に落ちていくのでしょうか。

A金融機関や企業、家庭など市中で年を越すお金(日銀券)は前年より9.4%増えて
75兆超で過去最高
になりました。ペイオフ対策として定期預金からのシフトで急増した普通預金の引き出しに備えて、銀行などが現金を多めに保有、企業もキャッシュフロー経営に転換し手元流動性を高めている、家庭ではタンス預金が増えているなどの要因です。こうした大量のおかねは一気に動き出せばインフレの危険性をもはらんでもいるのです。

 昨年末の日経新聞によれば「小泉首相は本年の3月に任期切れとなる速水日本銀行総裁の後任人事に関連して政府・日銀が一体となってデフレ退治に積極的な人が望ましく、新総裁との間でインフレターゲットの設定を念頭に政策協定を検討する」とのこと。また、かねがね竹中平蔵経財相がデフレ圧力の緩和のために速水総裁にインフレターゲットの設定を申し入れていたと言われていますし、物価下落に歯止めの掛からない今日、インフレターゲットを求める声が日々高まりつつあります。

 インフレターゲットとは、デフレからの脱出を目指し日本銀行が1〜3%ぐらいの物価上昇率の目標を設定しその範囲内に上昇率が収まるようにコントロールをする金融政策です。将来のインフレ予想を高めて消費を刺激しようとするるものでありますが、近年英国やニュージランドではインフレを抑える手段として採用されているのです。 
 似て非なるものとして米国のクルーグマン教授が提唱した調整インフレがあります。
通貨供給量を殖やして物価水準を引き上げインフレ期待を押し上げて経済活動を活発にすることを目的にします。また一方で中長期的にインフレを喚起して債務や不良債権の実質目減りを期待する面もあるのです。
 しかし、インフレは一度起こると燎原の火のごとく止まるところを知らず、結果経済の崩壊をもたらすマイナスの面もあるのです。

 日本経済をこのまま放置しておくと予想されるシナリオは、
@デフレ止まらず、不況で税収は大幅減、国債の大量発行、国債の信用不安で国債は暴落、金利は上昇し財政破綻を招き、ハイパーインフレになる。
Aインフレ目標を設定すると、期待を伴い長期金利上昇につながり、国債価格は急落し、ハイパーインフレを招く。

 どちらにしろ、袋小路に入り込んだ日本経済です。
いちかばちかのインフレ政策に舵を切らなければならないところまで日本経済は来ているのかもしれません。
  


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