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NO。55「不動産投信(J-REIT)・新証券税制・2003年問題」  (2002.11.18)
 不動産投信(J-REIT)の人気が高まっています。予想ベースの5%に近い配当利回りが現実になる決算発表が相次ぎ、また来年度からスタートする新証券税制も追い風となり、一気に投資家の注目を浴び始めています。

 
不動産投信は昨年9月に証券市場活性化と個人金融資産の証券市場への呼び水として大きな期待のなか登場した新しい投資信託であり、これまで6本が東証に上場されました。その仕組みは投資家から集めた資金をオフィスビルや商業ビルの不動産で運用し、そこから得られる賃貸収入などを分配金として投資家に支払いします。株式等と同じように市場で売買できるので、高利回りの年2回の分配金と投信価格の値上がりの2兎を狙える商品として期待されていましたが、これまでは配当課税の問題点等がマイナス要因ともなり個人投資家の関心を呼ばずに鳴かず飛ばずの状況でした。

 政府は来年度から施行される新証券税制において配当課税を20%の源泉徴収に一本化、申告不要とする案をまとめました。
 これまでの配当課税は、@年間10万円以下の少額配当は20%の源泉徴収が原則、税金の還付を受ける場合は確定申告が必要、A年間10〜50万円の中額配当の場合は35%の源泉徴収で申告不要、又は20%の源泉徴収のうえ確定申告,、のどちらかを選択、B50万円を超える場合は20%の源泉徴収のうえ確定申告が義務づけられます。申告の手間を嫌う個人投資家にとって大変煩わしく複雑でした。
 また、不動産投信は1口10〜50万位で購入可能な上に高利回りが期待でき、例えば4口約200万円を購入したとすると年間配当が10万円を超える可能性は多く、確定申告が必要になったり確定申告をしないとするなら35%の高い源泉分離の税率となり、個人投資家の投資意欲を抑えていたのです。

 人気が高まりつつある不動産投信ですが「2003年問題」が先に影を落としています。東京の汐留地区・品川駅東地区・飯田橋地区の旧国鉄用地の大規模開発で大型のオフィスビルが陸続と完成する2003年頃には供給過剰で空室が急増し賃貸料水準の低下が始まるのではと懸念されています。例えば大阪では2000年頃にオフィスビルの大量供給があり、その結果本年6月には空室率が10%を超す現状であるのです。
 

 不動産投信の対象となる組み入れ物件は一例をあげれば、旧コニカビルや日産自動車本社ビル、渋谷クロスタワーやエスキス表参道、大阪心斎橋ビルやジャスコ茅ヶ崎ショッピングセンター等々です。オフィスビル・マンション・ショッピングセンターなどの商業ビルなどと多様で、さらに新築物件だけでなく築後数年の古い物件、首都圏だけでなく地方の物件とさまざまです。

 大切なことは、不動産投信の人気上昇に煽られることなく投資家自身が今後の景気や金利状況から不動産市場を読む、また投資対象を自らの目で確認するなどの慎重な検討が必要であります。不動産投信は究極は不動産投資と同じ性格を持ちます。株式や、投資信託以上のリスクがあることに留意することや、じっくり長期投資で望むことが必要ではないでしょうか。
 
 まさしく自己責任の時代なのですね。



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