HOME  FPとは? コラム プロフィールとFP倶楽部  講演と執筆
福井から情報発信! ウイークリーおもしろコラムは如何ですか?なんとしても1年は継続します。ご意見お寄せください。

 NPO法人 日本FP協会会員
 ファイナンシャルプランナー
             
CFP® 認定者
ご意見、ご感想はこちらまで→
NO。53 スウェーデン方式の年金計画  (2002.11. 4)

 11月3日(日)の日経新聞1面トップに『「公的年金 保険料固定に」厚労省改革案 年収の20%上限』の記事が踊りました。

 「保険料を将来にわたり固定して引き上げない、しかし少子高齢化がさらに進展し年金財政悪化の場合は年金給付を自動的に削減する」という仕組みであり、「スウェーデン方式の年金改革」を下敷きにしています
 これまで2004年の次期公的年金改正に向けて「スウェーデン方式の年金改革を参考にすべき!」と、社会保障審議会の年金部会で活発に論議されていたのです。

 スウェーデンは
1999年の年金改革で、これまでの年金制度に変わる新しい制度を誕生させました。その特徴は次の4点に絞れます。

@ 保険料を固定し、財源不足の場合は「年金額を自動調整」する。
A これまでの国民基礎年金と国民付加年金の2階建てから、報酬比例の国民老齢年金の1階建てとし、代わりに全ての高齢者に最低所得を保障する「保障基礎年金」の導入。
B 世代間扶養の考えによる賦課方式から、自分のために保険料を積み立てていく「一部積立方式」へ移行。
C 確定給付型から、積立金の運用方法を加入者自身が選ぶ「確定拠出型の年金制度」へ転換。

 我が国は、間もなく65才以上の高齢者人口が20%を占める超高齢社会を迎えます。年金を受給する人口は増え続け、保険料を支払う現役世代が減っていきます。このまま推移すると2025年には保険料を現行の1.8倍にアップせざるをえなくなり、若い世代の年金不信は高まるばかりです。世代間扶養の考え方に基づく現行の年金制度は破綻寸前なのです。これまで、消費税をアップして社会保障費を税に依存しようという税方式や、自分の年金は自分で積み立てる方式等の根本的な制度見直しが議論されながらも、いつも小刻みな給付削減や給付年齢の変更、保険料アップなど小手先の公的年金改革が続けられてきたのです。
 今回の年金額自動調整の案をはじめさまざまな改革案を見ていくと、裏打ちされたスウェーデン方式を通して我が国の将来の公的年金制度は透けて見えてきます。「税方式による基礎年金方式」、「2階建て方式を1階建てに改正」、「自己責任による積立方式の導入」等がこれから議論されることでしょう。

 しかしスウェーデンは人口890万弱の小国、社会保障充実の福祉国家、育児休業を男子にも義務付けるなど世界一の男女平等国、少子化は存在しないとも言われ、合計特殊出生率も日本の1.31人に比べて約0.6高い1.9人で上昇傾向、また消費税は25%という高負担・高福祉の国であります。
 年金改革は少子化対策に他ならないのですが、我が国と全く状況が違うスウェーデンの制度の一部だけを参考にしての改革はまた問題先送りでしょうか。


コラム目次へ戻る