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NO。42 ペイオフ迷走  (2002.8.19)
 
 来春のペイオフ全面凍結解禁まで余すところ7ヶ月その是非をめぐり、延期や新型個人預金創設などの議論が熱を帯びてきています。
 
 日本銀行の発表によれば7月の定期預金の残高は前年比約13%減と相変わらず大幅な落ち込みが続いており、一方来春まで全額保護の普通預金や当座預金などの決済性預金は約36%増と高水準、この1年で定期預金は約50兆円減少し、決済性預金は約72兆円増加したとのことです。
 この増え続ける決済性預金が来春に向けどう動くのか、金融機関は常に現金で払戻しできる流動性を確保しておかねばならない上、「あの銀行は危ない」との風評でこの預金が大移動でもするようでは経営の危機不安を招いてしまうと不安を隠しえません

 
そうした背景の中、企業の手形や小切手の決済に使う当座預金を来春以降も恒久的に全額保護し、企業の決済機能マヒを避けるための検討が始まりました。しかし当座預金を開設できない零細企業や個人や地方自治体からの不公平の声に合わせ、新たな決済専用の新型個人預金創設の構想が一挙に浮上してきたのです。

 しかし金融機関は当座預金の全額保護には反対をしないものの、新型個人預金の発売にかかるシステム開発などのコスト、個人預金者が預金をこれまでの普通預金から新預金へ移行するに伴う事務コスト、そして当座預金や新型個人預金の全額保護のための預金保険機構へ払う預金保険料などのさまざまなコスト増が収益を圧迫する、また現在の銀行法では金融機関に新型預金の発売を強制できないため、全金融機関の足並みが揃わないままに新型個人預金を発売すると預金者に「あの銀行は危ないのでは」と見られるのではとの不安等々により新型個人預金には及び腰であります。
 また個人が公共料金などの引落し口座を新型個人預金に一斉に移行すると、クレジット会社や電力、電話会社はその口座変更の事務作業に追われて大変と早くも悲鳴をあげています。
 しかし金融庁は金融機関が一斉に新型個人預金を導入すべきであり、当座預金と新型個人預金の全額保護の財源は預金保険料で賄うべきであり、そのコストを制度として口座維持手数料に求めることには反対との考え方を明らかにしています。

 大手銀行への預金大移動の不安に慄く信用金庫や信用組合業界そして中小企業の資金繰り悪化を懸念する中小企業関連団体は「ペイオフ全面凍結解除を延期すべき」、また自民党内では「普通預金も決済性預金であり当座預金と同じく全額保護をしろ」、「この際、普通預金の金利をゼロにしてそのまま新型預金に変えたらどうか」「いっそのことペイオフ全面凍結解除は延期しろ」「個人の決済保護に新型個人預金は必要ない」等々、議論は迷走気味です。
 結末は如何、再びペイオフ全面凍結解除の延期論の台頭でしょうか。


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