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NO。41 健保法改正/家計を直撃  (2002.8.12

 7月26日健康保険法改正などの医療制度改革関連法が可決され、10月から順次実施されることとなりました。

@ サラリーマン等の自己負担率を2割から3割に引き上げる。
A 保険料の算定をこれまでの月給からボーナスを含む年収ベースに変えると同時に政府管掌健康保険の保険料率を引き上げる。
B 70才以上の高齢者の窓口負担を、定額制から定率の1割(高額所得者は2割)に。
C 2歳以下の乳幼児の負担を2割に引き下げる。

等の4点が主な改正であり、厚生労働省の試算によれば患者の負担増が約4千億円、保険料の負担増などが約1兆1千億円で合計1兆5千億円の負担増だそうです。
 @組合健保の加入者は約7千円/年の負担増、A政官健保の加入者は約2万円/年の負担増、B70歳以上の高齢者(一般的な所得の方)は約8千円/年の負担増、C2歳以下は約6千円/年の負担減と推計され、幅広く重い国民負担増が家計を直撃することになります。

 しかし厚労省の試算によると、高齢化がピークに達するといわれる2025年には国民医療費は現在の30兆円強から約80兆円に、高齢者医療費は10兆円強から40兆円に達するとのこと、健康保険財政の破綻は誰の目にも明らかであります。
 高齢者医療制度の創設や国民健康保険・政府管掌保険・健保組合に分かれている保険者の統一などの抜本策は見送られ、「三方一両損」と大見得を切ったにも関わらず診療報酬体系の見直しや医療の効率化、質の向上などの改革もおざなりで、結局「国民と患者の三両損」としか見えないお裁きで一件落着です。

 今回の改正の効果は破綻寸前の政管健保の財政危機に対し、5年程度の延命効果しかないと厚労省は認めているようです。
 ところが恐ろしいことに厚労省の予測は甘く、今後の少子高齢化の進展次第では2025年度には国民医療費は100兆円を超えるのではと危惧されており、更なる国民負担増大は避けられない状況であります。

 実は年金制度しかり、医療制度しかり、国の社会保障制度作りの基礎となるものが国立社会保障・人口問題研究所の5年ごとに発表される人口の将来推計であり、過去0勝4敗と揶揄されるほどに出生率の予測が大甘であり、その結果少子高齢化をの急速な進展を見逃してきており、結果その推計に基づく将来の国民医療費の予測は間違っていると指摘されてもいるのです。
 将来の医療制度危機から目をそらし改革の先送りを意図し、あえて嘘の上塗り、大甘の「将来推計」ではという批判さえ出始めているのです。

 足りなければ集めよう、無策のツケはまた数年後に回ってくるのです。


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