NO。310 二つのノーベル賞 19.10.15

 2007年のノーベル平和賞が決まりました。
 ゴア前米副大統領と、各国の科学者らで構成する国連組織の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」に授与するとノルウェーのノーベル賞委員会は12日、発表しました。
「人類が引き起こした気候変動に関する知識の普及に尽力した」ことが授賞理由で、ノーベル賞委員会としては地球温暖化が世界の安全保障に与える影響を強く指摘、人類に緊急の対策を呼びかけた形となりました。
 
ゴア氏は1993年に民主党のクリントン米政権下で副大統領に就任。70年代から環境問題に関心を持ち、著書「地球の掟」などを執筆。最近では、世界中で講演活動を行うほか、地球温暖化の深刻さを訴えた映画「不都合な真実」にも出演し、話題を集めていました。
 賞金は1000万スウェーデン・クローナ(約1億8300万円)で、授賞式は12月10日にオスロ市庁舎で行われます。(なお、日本人がノーベル賞受賞に際して受け取った賞金はき非課税となります)

 
 
ノーベル賞はダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に従って1901年に始まった世界的な賞で、「物理学賞」「化学賞」「生理学・医学賞」「文学賞」「平和賞」「経済学賞」の6部門からなります。それぞれが世界的な権威を持ち、特に物理学賞、化学賞、生理学・医学賞の3部門における受賞は科学分野における最大級の栄誉であると考えられています。受賞者に与えられる賞金の原資は、ノーベルの遺産を遺言に基づいてノーベル財団が運営しています。
 経済学賞は1968年に設立され、その原資はスウエーデン中央銀行の基金によるもので、この賞は正式名称を「アルフレッド・ノーベルを記念した経済学におけるスウェーデン銀行賞」としており、厳密にはノーベル賞には含めません。

 わが国のこれまでのノーベル賞受賞者は下記の方々です。

氏 名      受賞年  部門 理由等
湯川秀樹 1949 物理学賞 中間子の存在の予想。コロンビア大学在籍中に受賞。
朝永振一郎 1965 物理学賞 量子電気力学分野での基礎的研究。京都帝国大学卒
江崎玲於奈 1973 物理学賞 半導体におけるのトンネル効果の実験的発見。IBM在籍中に受賞。
福井謙一 1981 化学賞 化学反応過程の理論的研究。
利根川進 1987 生理学・医学賞 多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明。
白川英樹 2000 化学賞 導電性高分子の発見と発展。
野依良治 2001 化学賞 キラル触媒による不斉反応の研究。
小柴昌俊 2002 物理学賞 と天体物理学、とくに宇宙ニュートリノ検出に対するパイオニア的貢献。
田中耕一 2002年 化学賞 生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発。

 
 もう一つのノーベル賞、「イグノーベル賞 」を知っていますか。
 
ノーベル賞のバロディ的な賞で、1991年に創設されました。イグノーベルの名は、「ノーベル賞」に反語的な意味合いの接頭辞を加えたもじりであると共に、「卑劣な、あさましい」を意味し、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞なのです。
 受賞者を皮肉り、諷刺している側面もあり、 例えば1996年の平和賞は、「広島への原爆投下50周年を記念して太平洋で核実験を行ったことに対しフランスのシラク大統領に贈られたのはよく知られています。名誉と考える受賞者もいれば、不名誉と考える者もいるそうです。
 同賞を企画運営するのは、サイエンス・ユーモア雑誌『風変わりな研究の年報』と、その編集者であるマーク・エイブラハムズで、 共同スポンサーは、ハーバード・コンピューター協会、ハーバード・ラドクリフSF協会などです。 授賞式は毎年10月、ハーバード大学でおこなわれており、「本物の」ノーベル賞受賞者らも出席する、もう一つの権威ある賞なのです。
 
 
わが国からも多くの受賞者が出ています。ここ5年くらいの受賞者は次の方々です。
 ●2003年 「化学賞」:「ハトに嫌われた銅像の科学的考察」:廣瀬幸雄(金沢大学教授)
  金沢市の兼六園のある日本武尊(やまとたけるのみこと)の銅像にハトが寄り付かないことをヒントに、カラスよけの合金を開発。
 ●2004年 「平和賞」::井上大佑 (会社経営者、大阪府):「カラオケを発明し、人々に互いに寛容に新しい手段を提供した業績」
 ●2005年 「生物学賞」早坂洋司(オーストラリアワイン研究所):131種類の蛙がストレスを感じているときに出す特有のにおいを全部嗅ぎ分けてカタログ化した、骨の折れる研究『においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査
 ●2005年 「栄養学賞」中松義郎(ドクター中松)34年間、自分の食事を撮影し、食べた物がの働きや体調に与える影響を分析  
 ●2007年 「化学賞」山本麻由(国立国際医療センター研究所研究員)ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究  

 2つのノーベル賞、あなたはどっち派ですか?