NO。309 三角合併ってなに? 19.10.8

 去る2日、米国のシティグループは、わが国で初めての「三角合併」の方法で、合併対価に親会社である米シティの株式を日興コーデイアルグループ の株主に提供し、株式交換によって日興コーデイアルグループの株式を取得し、完全経営統合を目指すことで基本合意したと発表しました。
 これまで、シティは67.2%の日興CG株式を保有しており、シティはかねてから完全子会社化の方針を示していたが、残りをどのような手法で取得するかは未定でした。 

 
去る5月7日のコラムNO.287で「三角合併(さんかくがっぺい)」を書きました。
 
昨年5月施行の会社法で可能になった角合併」
日本企業に対する外国資本による買収を増加させるとの財界の強い懸念で1年実施は延期され、本年5月1日に解禁されました。
 
今後、外国資本による買収攻勢は強まるのでしょうか、興味しんしんですね。〜と締めくくりました。


 三角合併(さんかくがっぺい)とは、
企業合併の方法の一つで、会社の吸収合併を行う際に、存続会社の親会社の株式を交付することによって行う合併を指し、その手法上「合併」という言葉を使っていますが、実態としては株式交換に類似します。
 一般的な吸収合併の場合、吸収される会社(消滅会社)の株主は、それまで保有していた株式数に応じて、吸収する会社(存続会社)の株式の交付を受けます。つまり、合併に伴って、の株主は存続会社の株主となります。これに対し、三角合併の方法によると、消滅会社の株主には「存続会社の親会社」の株式を交付されることとなります。
 この仕組みによれば、外国会社が日本に受け皿としての100パーセント子会社を設置し、その会社と日本の既存の会社とを合併させて買収し、買収後も日本の既存会社を100パーセント子会社として保持する仕組みが可能となります。


 
日興CG側は、シティ株を対価とすることによって「株主は引き続き(シティの)企業としての成長やリターンを得られる」と説明した。 さらにシティ側は、シティと日興CGが成長するには、株式交換で日興の株式を取得し、東証にも上場すると付け加えました。
、シティは早くから周到に計画していていたようです。今年5月の「三角合併」の解禁を見極めた上で、8月末にシティ株を買収対価とする完全子会社化を提案。さらに、シティ株を国内で取引しやすくするため、東京証券取引所に株式上場の可否を打診し、「11月にも上場の認可は可能」との感触を得たうえで今回の計画を表明したとのことです。

 某大手鉄鋼メーカーは「三角合併が行われる可能性はあったのだから、予想はしていた。今回は友好的な買収だが、今後は敵対的な買収もありうる。自社にとっては、(敵対的買収が)正夢にならないことを願う」と警戒感をあらわにしました。別の鉄鋼大手も「ようやく初の事例が出てきた。シティが、税や株式発行実務などの複雑な問題をどうクリアするか、先例を作る意味は大きい」とシティの動向を注視すると述べています。
 
一方で、「今はどんな産業でも常に買収の脅威に対する緊張感があり、三角合併が起こったからといっておどろかない」、との声も出ています。 

 
日本初の三角合併方式による企業買収が行われることで、産業界は危機感をあらわにしています。