NO。304 びっくり!10億円マイナス落札 19.9.3

 日本郵政公社が10月の民営化に伴い、外部委託する国債などの債券管理業務についての競争入札で、住友信託銀行などが出資する日本トラスティ・サービス信託銀行が約10億円を支払うマイナス落札が行われたとの報道です。債券管理業務とは、国債の元金や利息を国に代わって管理する事務に対し、日銀が手数料を支払う仕組みです。

 郵政公社は10月1日の民営化後、国債や社債など約130兆円の管理実務を2年間委託する一般競争入札を実施し3社が応札しました。金額の支払い付きの応札も認める条件で入札が行われたため、日本トラスティ・サービス信託銀行が約10億円のマイナス入札、以外の2社は0円で入札したのです。
過去にも1円落札などのケースはありました。昨年12月に、かんぽ生命保険の資産管理事務を、資産管理サービス信託銀行が1円で落札しました。その時には、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで審査に乗り出しましたが、違反の事実はないとの結論になりました。
 今回のように、お金を払って業務を引き受ける「マイナス落札」は異例とのことです。
 
 その仕組みを紐解いて見ましょう。
 国債の利息は、国の国債業務を代行する日銀から金融機関に一括して支払われ、金融機関が顧客に分配する流れになっています。そして、事務手数料が日銀から金融機関に支払われます。今回130兆円という巨額の国債のため、受託側は日銀から支払われる事務手数料で対象期間の2年で12億〜13億円を手にすることが見込まれるので、マイナス入札でも採算性が取れると判断し、マイナス落札となったようです。
 
「マイナス落札」には先例があります。
 2004年のことですが、神戸市が空き缶やペットボトルを再資源化するための「資源リサイクルセンター」の運営業務委託の競争入札を実施しました。市は委託費用に数千万円を見込んでいたようですが、応募八社のうち、四社がゼロ円以下の額で応札、同市内の環境事業者でつくる組合が「マイナス五千万円」で落札したことがあります。同センターで再資源化した缶などの売却益を業者の収入にできるという条件を提示したためですが、市担当者らは「仕事を委託するのに逆に委託料が入るとは予想もしなかった、市財政が苦しい中でありがたい話」とニンマリでした。

 
「損して得取れ」、まさにこの言葉を絵に画いたようなマイナス落札です。