NO。300 日本国債の格付けが引き上げ 19.8.6
 日本国債の格付けが引き上げらました。4月に、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「ダブルAマイナス」から「ダブルA」に格上げしたと発表しました。同社は、1992年に「トリプルA」に格付して以降、「ダブルAマイナス」まで格下げしていましたが、格上げの理由を、財政再建、金融政策の正常化、構造改革に進展が見られることとしています。
 また7月に、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「A2」から引き上げる方向で見直すと発表しました。政府債務の状況が 改善に向かっていると評価し、2002年5月に「Aa3」から「A2」へと 1段階引き下げて以来の格上げ検討となります。
 
「格付け」とは、国などが発行する国や地方債、事業体が発行する社債など、資金調達のための債券の信用度を指します。その格付けを発行するのは民間の格付け会社であり、S&Pやムーディーズのほかフィレッチ、格付け投資情報センターなどがあり、それぞれが独自の格付けを行っており、例えば、米国・英国・ドイツ・フランス・カナダは両格付け会社よりそれぞれ、最上位の“AAA(トリプルA)”、“Aaa”のランク付けされています。
 
振り返れば2002年、米ムーディーズが日本国債をA2に格下げをしました。先進7ヶ国では最下位であり、韓国よりは1ランク上位でチリやチェコ、ギリシャ、ハンガリー、ボツワナより下位にランク付けられわが国に激震が走りました。日本の信用は新興国並と格付けされ、格付けが日本より上位の国として引き合いに出されたボツワナに関心が集まりました。
 
その頃、「ライオンは眠れない」という寓話がベストセラーになりました。「鼠」の国のライオン王は「X計画」の発動を前にして眠れぬ毎日を過ごすという寓話であり、我が国の現実に置きかえて次のように書かれているのが話題を呼んだのです。我が国の財政は破局的状況であり、この解決には「X計画」しかなく、ある日突然のデノミ強行・預金封鎖・資産税の導入、聖域なき破壊と創造により国民の金融資産を一部召し上げ債務超過を消すというお話です。
 

 
ボツワナは南アフリカ北部の内陸の国、その広さはフランスとほぼ同じです。国土の17%が自然環境の保護を目的とする指定区で、自然の美しさや象の数は世界一の10万頭というアフリカ最大の野生動物の宝庫でもあり、驚きの美しさをもつ大地と呼ばれています。
 当時のボツワナ共和国大使館のホームページでは、『「ボツワナに対し、初の信用格付けが発表されました。ムーディーズはボツワナの外貨建て預金格付けをA2/Prim−1としました。これは、南アフリカ共和国やチュニジアと比較して4ランク上・・・・アフリカ各国の中で最高位です。ボツワナはギリシャやイスラエルなどと同等の格付けとなり、香港・・よりも高く、、、。ボツワナの中央銀行総裁のリナ・モホロはロイターに「この格付けは大きな励みであり、雇用の拡大にも寄与するだろう」と語りました。」』と、誇らしげに記されています。
 政府は経済援助をしているボツワナより低い評価に反発し、当時の塩川正十郎大蔵大臣は「日本の高い貯蓄率や個人の持つ1400兆円の金融資産や外貨準備高の高さも考慮に入れればトリプルAが妥当」と訂正を申し入れましたが、ムーディーズは「政府債務がさらに拡大する危機的な状況にある」とその主張はかみ合いませんでした。
 
 
「国の借金が800兆円を超え国民一人当たり約653万円、国債残高も500兆円を超え国民一人当たり約428万円」の日本に対する世界の厳しい目も少し変化が出始めたのでしょうか。