NO。287 三角合併   19.5.7
  「角合併(さんかくがっぺい)」という言葉が、新聞やTV・ラジヲを賑わしています。わが国では、昨年5月施行の会社法で可能になりましたが、1年実施は延期され、本年5月1日から解禁されたので。
 
三角合併とは、企業合併の方法の一つで、会社の吸収合併を行う際に、存続会社の親会社の株式を交付することによって行う合併であり、その手法上「合併」という言葉を使っていますが、実態としては株式交換に類似しています。
 
一般的な吸収合併の場合、消滅会社(吸収される会社)の株主は、それまで保有していた消滅会社の株式数に応じて、存続会社(吸収する会社)の株式の交付を受けます。つまり、合併に伴って、消滅会社の株主は存続会社の株主となるのです。
 これに対し、三角合併によれば、消滅会社の株主には「存続会社の親会社」の株式を交付されます。このため、存続会社が100パーセント子会社である場合には、合併の終了後も存続会社が100パーセント子会社である状況には変化がなく、存続会社の親会社の株主が増加するように合併を設計することができる。
 この仕組みによれば、外国資本が日本に受け皿としての100パーセント子会社を設置し、その会社と日本の既存の会社とを合併させて買収し、買収後も日本の既存会社を100パーセント子会社として保持する仕組みが可能となります。
 「三角合併で、ついに巨大資本が日本に上陸する」と過日の日経新聞は以下報じています。
 〜今年の2月、食品業界のフランスの大手、ダノングループが日本法人を完全子会社にしました。このことが、三角合併の受け皿づくりと見られています。ダノンは2004年3月、ヤクルト本社の株を20%まで買い増しました。ダノンの時価総額は約5兆円、ヤクルトは5600億円、三角合併を使えば、自社株を少し増やすだけで簡単に日本企業をのみ込める。〜
 
三角合併は、日本企業に対する外国資本による買収を増加させる懸念があると日本企業は脅威を感じています。また、労働者側では、利益が上がっても、三角合併の買収防衛策で株主優先で、給与等の伸びの鈍化するのではと懸念しています。
 
しかし、外国資本だけがこの制度の恩恵を受けるのではないでしょう。後継者難で企業売却を希望するオーナー経営者は、「いつでも売れる上場企業株に交換できる三角合併は大きな魅力」となります。
 上場企業が中小企業に対しM&Aを申し出る案件が増えると予想できます。

 
今後、外国資本による買収攻勢は強まるのでしょうか、興味しんしんですね。