NO。286 生命保険が安くなる   19.4.30
 この4月から、新しく生命保険に加入する場合、保険会社により対応にばらつきはありますが、以前と比べて払い込む保険料が変ります。
 
概ね定期保険や終身保険などの死亡保険などの死亡保障商品は保険料が引き下げになりますが、一方がん保険などの生前保障商品は値上げになる場合もあります。 
 
これは、11年ぶりに「標準生命表」が改定されたことによります。
 
「標準生命表」とは、生命保険会社が将来の生命保険金の支払に備えて準備すべき金額(責任準備金と呼びます)を計算する上で、法律に基づいて使用が義務付けられる生命表のことで、1年間に死亡する確率(死亡率)を性別・年齢別に示したものです
。今回の改定では、平均寿命の伸びを反映して一部の年齢を除き死亡率が下がりました。
 
「生保標準生命表」比較表
男 子 女 子
1996年(人) 2007年(人) 年齢 1996年(人) 2007年(人)
1.14 0.84 20歳 0.33 0.31
0.84 0.86 30歳 0.46 0.49
1.56 1.48 40歳 1.05 0.98
3.79 3.65 50歳 2.33 2.16
10.22 8.34 60歳 4.69 3.79
25.06 21.93 70歳 1202 9.14
71.32 60.39 80歳 39.49 29.60

 生命保険の保険料は、予定死亡率、予定利率、予定事業費率という3つの予定率をもとに計算されますが、今回の保険料の改定は、主に予定死亡率の引き下げによるものです。

 
11年ぶりの引き下げです。実は、これまでは生命保険各社の事情で引き下げが見合わせられて来ました。バブル崩壊後、生保各社はいわゆる“保険料の運用利率が予定利率を下回る、逆ザヤ”で苦しんでおり、実際の死亡率以上に保険料を多く徴収することで逆ザヤの穴埋めをしてきたようです。ようやく、生保各社は体力も回復し、今回の予定死亡率引き下げにつながったのです。
 
予定死亡率が下がるということは、例えばある年齢の1年間の死亡者数が1000人中4人だったものが3人になるというように少なくなることを意味します。
 仮に1000人全員が生命保険会社との間で、1年間に死亡した場合に1000万円を受け取ることが出来るような生命保険契約を結んでいたとしましょう。
 そうすると生命保険会社はこれまで4000万円(1000万円×4人)の支払いを予定して保険料を計算していましたが、予定死亡率が下がることで3000万円(1000万円×3人)の支払を予定して計算すればよいことになります。
 この分を契約者全員が保険料として負担するならば、これまで一人あたり4万円(4000万円÷1000人)でよいことになります・
 実際の保険料計算は、利率や事業費、さらに各社の経営戦略などの要素が加わりかなり複雑ですが、予定死亡率の引き下げがどのような効果を及ぼすか理解できたと思います。

 
さて、死亡率が下がったからといっても、すべての保険料が下がるわけではありません。
 基本的に保険料が下がるのは死亡時に保険金が出る「定期保険」で、逆に「終身年金保険」や「医療保険」などは保険料の値上がりが予想されます。


                             参考:生命保険文化センターメールマガジン