NO。285 年金定期便   19.4.23
 国民年金と厚生年金の全加入者約6千5百万人に将来の年金額などを通知する「ねんきん定期便」が先月末からスタートしました。
 「ねんきん定期便」の運用は2008年度以降に開始される予定でしたが、安部総理の強い意向もあって35歳、45歳、55歳以上には前倒しで実施されることになりました。既に、2007年3月から、35歳になる方には前倒しで「ねんきん定期便」の送付が始まっています。45歳、55歳以上の方へも2007年12月から「ねんきん定期便」による通知が始まる予定です。「ねんきん定期便」は本来2008年4月に開始見込みだった年金保険料納付実績を通知する「ポイント制度」を改正した制度です。ポイントの通知では、支給見込みの年金額を知るには自分で計算しなければならない不便さがありました。今回の改正で年金額を直接知ることが出来るのでその分はわかりやすくはなります。

 
この制度は、若い世代の年金制度への信頼回復を狙い、安倍晋三首相が所信表明演説で打ち出した構想です。実は、厚生労働省としては、2004年度年金改正で「年金が毎年着実に増えることを実感してもらう」ことを目指して、被保険者全員に確保済みの年金額をポイント換算して通知するポイント制を決めていましたが、安倍首相の「金額で伝えた方がわかりやすい」との指示で実額通知に変えることになったようです。
 「どれくらい年金がもらえるのか分からない」という不安を緩和することが目的で、特に年金の重要性について実感できない若い世代の年金制度への信頼回復につながると期待されています。しかし、「ねんきん定期便」を実施してみると、年金額が思ったよりも少ないことがわかり、逆に年金不信を招くとの懸念もあるようです。
定期便によって「毎月払っておけば安心」という考えが定着するかもしれません。ただ、制度導入のきっかけとなったのは社会保険庁のムダ遣い。このため、それを正したうえで経費を算出すべきとの厳しい意見もあります。
 

 
「ねんきん定期便」で知らされる内容は、@将来受け取る年金の見込み額、A年金の加入月数、B過去に払った保険料総額の3つで、毎年、加入者の誕生月に封書で郵送されます。
 先月からは、35歳の加入者に「加入履歴」の通知(年1回)が始まりました。
 12月には、45歳に対する「加入履歴」の通知(年1回)と、55歳以上への「ねんきん定期便」の郵送が始まります。20歳以上の全加入者に通知が始まるのは2008年4月になります。
 35歳の「加入履歴」の郵送が先行するのは、国民年金を受け取るには最低25年以上の加入期間が必要であり、もし35歳時点で加入期間がゼロだと受給権を失う恐れがあるからです。
 しかし、最終的な年金見込み額が通知されるのは、50歳以上です。
 49歳以下では受給開始までに年金額が変動する可能性があるため、その時点での加入期間に応じた年金額が示され、最終的な加入期間に応じた年金額の目安は、5年単位で試算した「年金早見表」で示されます。

 
「ねんきん定期便」の必要経費は、年間100億円強と見込まれ、年間100億円の経費は、その費用対効果を考えると、高額ではないかととの意見も多いようです。
 皆さまは、どうお考えになりますか。