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NO。259 もう1つの2007年問題A 18.10.23
  厚生労働省の人口動態統計によれば、平成17年の離婚件数は昨年に比べ、6千件の減少で26万2千組、2分に1組の離婚が発生したことになります。
 
離婚件数は昭和38年以降毎年増加し、48年には10万組を超え、その後も増加を続けました。58年をピークに減少に転じ、平成3年から再び増加していました。
 
ところが、平成15年をピークに、平成16年、17年、減少に転じており、本年6月の人口動態統計速報によれば、6月を含む過去1年間(17年7月〜18年6月)の離婚件数は、前年に比べて1,600組の減少と減少傾向に歯止めは掛かりません。
 離婚件数の減少の裏に潜む「もう1つの2007年問題」が懸念されます。離婚は2007年まで我慢、辛抱と、ここ数年息を潜めている離婚待機組みの存在が囁かれています。。
 サラリーマン川柳の優秀作「年金が出るころ妻は家を出る」のように、来年より一気に離婚件数は上昇に転ずるのでしょうか。

 「もう1つの2007年問題」といわれる、「離婚時の厚生年金の分割制度」は平成16年度の年金制度改正により定められ、次の2つの仕組みに分かれます。その前提は、「第2号被保険者が負担した保険料は、夫婦が共同して負担したものとする」として、
 
1、2007年4月からの「離婚時の厚生年金の分割制度(離婚時の年金分割)」の導入
  夫婦間の合意で、婚姻期間中の厚生年金は分割できます。合意がまとまらない場合は、裁判手続きにより按分割合を定めることが出来ます。
  
妻がずっと第3号被保険者(専業主婦)の場合:最大で夫の年金の半分まで
  
共働きだった場合:夫と妻の厚生年金を足し、取り分が同じになるまで年金の多い方から少ない方に分割が可能です。
  合意が出来れば社会保険事務所に届けます。
  基礎年金は分割の対象にならず、各自が自分名義の年金を受け取ります。
 
2、2008年4月から「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金の分割制度(3号分割)」が始まります。
  
妻が第3号被保険者の期間分については、離婚する場合、夫の厚生年金の半分を自動的に妻の取り分にします。基礎年金は分割の対象にならず、各自が自分名義の年金を受け取ります。
  
夫婦間の合意や裁判所に手続きは不要で、妻が請求するだけで分割を受けられます。ただ適用されるのは08年4月以降の婚姻期間分だけなので、既に中高年になっている夫婦にはさほど影響はありません。

 
こうした制度の導入の背景は、前回@にて建前論を紹介しましたが、実は奥深い問題があるのです。それは「第三号被保険者制度」と呼ばれるわが国特有の制度です。専業主婦は保険料を負担することもなく「第三号被保険者」として、65歳から年金が受給できるのです。働いて保険料を支払っている女性から「不公平だ」との声がこれまでありました。また、米国からも「保険料を負担せずに年金を貰う制度はおかしい」との批判もありました。困った政府は、「専業主婦の内助の功を認め、夫が払ってきた保険料の半分は妻が実質負担してきた」との見解を明らかにし、専業主婦の内助の功を法律にまで明記したのです。
 また、厚生労働省は離婚しなくても年金分割を認める案を検討していましたが、「それでは夫婦の絆がくづれる」という自民党内のの慎重論に押し切られ、結局は分割を離婚時に限定する中途半端な形落ち着きました。
 
 離婚分割の2つの制度、なにか紛らわしく判りにくいですね。