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NO。230 若者の格差拡大社会A (2006.3.27)
 「格差拡大社会」「下流社会」「不満足社会」「希望格差社会」の新造語の氾濫です。
これまで国民全て中流意識のわが国、小泉構造改革の旗振りの中、特に若者の格差が生まれ拡大しているのではないかと議論百出です。

 
前回は二極化する雇用の拡大により、所得格差が生まれている実態に触れました。
 今回は、雇用のミスマッチに苦しむ若者にスポットを当ててみます。

 2006年1月の完全失業率は、
 15〜24歳   25〜34歳 
 男 性   4.8%   9.1%  5.5%
 女 性  4.0%  6.5%  4.9%
 若者の失業率の高さが目に付きます。
 一方、有効求人倍率を見てみましょう。
 19歳以下   20〜24歳 
 1.03倍    4.78倍   1.27倍
 有効求人倍率とは、失業率と並び雇用状況を示す指標です。求人数を求職者数で割ったもので、求職者1人に対してどのくらい職のニーズがあるかの割合です。倍率が1を上回れば、少なくとも求職者1人に1つ以上のにーずがあることになります。下回っている場合は求人が不足していることを意味します。
 全国平均の有効求人倍率は1.03倍ですが、19歳以下の若者では、4.78倍と求人過多の状況です。

 若者に対する求人は多いにもかかわらず失業率は高い、この矛盾は何なのでしょうか。
 「雇用のミスマッチ」という言葉クローズアップされます。仕事はあるが就職できずに失業している若者、企業が求める能力等の基準に合わない若者が多いのでしょうか。

 定職を持たず、アルバイトや派遣などの非正規社員で甘んじている「フリーター」と呼ばれる若者は417万人といわれます。2050年ごろには全労働人口の50%を超すのではとも推計されています。
 また「ニート」と呼ぶ、学校にも行かず、働かず、職業訓練も受けていない若者は100万人に迫る勢いといいます。


 将来の日本を託すべき若者、雇用の2極化や雇用のミスマッチが生み出す格差拡大が、若者の将来に対する「希望格差」を生み出しているのでしょうか。



「格差拡大社会」「下流社会」「不満足社会」「希望格差社会」の新造語の氾濫です。
これまで国民全て中流意識のわが国、小泉構造改革の旗振りの中、格差が生まれ拡大しているのではないかと議論百出です。

 
生活保護世帯が100万世帯・147万人を超え、国民約100人に1人が生活保護を受給している、また2000年のOECDの調査「世界の貧困率ランキング」(下表)によるとわが国は驚くべき実態です。
 @メキシコ   A米国   Bトルコ   Cアイルランド   D日本 
20.3% 17.6% 15.0% 15.4% 15.3%
 生活保護世帯の約5割が高齢世帯であり、無年金・低年金がその原因といわれます。
しかし、生活保護受給は若い世帯にも広がりつつあると言われます。

 若い世代で拡大する格差は大きな社会問題化となり始めています。それは「雇用格差」より生み出される「所得格差」なのです。
 過去の画一大量生産のオールドエコノミーからIT産業やバイオなどの知識産業のニューエコノミーへの経済構造転換の時代、また、グローバル化する熾烈な企業競争の時代、企業はその調整弁を雇用に求めます。
 「雇用のかんばん方式」と呼ばれる、雇用の2極化現象が顕著です。企業は、コアの専門的知識労働者は正規社員を、周辺は単純マニュアル労働者の非正規社員を雇用しようとします。
 厚生労働省の「平成15年就業形態の多様化にかんする総合実態調査」によると、
正規社員 65.4%
非正規社員 34.6%(H.11年調査と比して、7.1%アップ)
パートタイム 契約社員 派遣労働者 出向社員 派遣社員 臨時的雇用者
23.0% 2.3% 2.0% 1.5% 1.4% 0.8%
 15〜24歳の若年者に絞るなら、非正規社員の比率は約45%になります。
 リクルートワークスの調査「就業形態別の平均収入(2004年)」によれば、
正社員 派遣 フリーター パートタイマー
531万円 226万円 167万円 133万円
 15〜24歳の若年者に絞るなら、正社員:387.4万円/フリーター:105.8万円です。

 若者の格差を埋め出す原因はまだまだあります。
 次回は、完全失業率・有効求人倍率、雇用のミスマッチとフリーターとニートについて考えてみましょう。