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NO。228 格差社会を裏付ける、“ジニ係数”  (2006.3.13)
 小泉構造改革のもたらした“光と影”、所得格差の2極化が国会の論戦になっています。2極化はしていません、「勝ち組み」「負け組み」分かれるのではなく、「待ち組み」がいます、なんてこじつけ論理も生まれています。
 所得格差を裏づける数値として「ジニ係数」なる経済用語がひんぱんに登場しています。

 「ジニ係数」とは?
 「2002年時点の“ジニ係数”が7年連続で拡大」 厚生労働省は3年に1度、「所得再分配調査」を実施し世帯ごとの所得のばらつき、格差を調べ、「ジニ係数」という指標で示します。今回6月の発表によれば、ジニ係数は0.5に近づき、世帯の所得格差は過去最大、上位25%の世帯で全体の所得の75%を占める状態であることを明らかにしました。ちなみに、上位30%の世帯で全体の所得の70%を占める状態の場合にジニ係数は0.4になります。(ジニ係数の説明は複雑すぎます。説明は省略します。)
 格差が拡大したのは、年金だけの高齢世代が増えたこと(この調査では年金は所得とカウントしませんので、年金だけの高齢世帯は所得ゼロ世帯になります。)、単身者や低所得者の若者が増えたことが理由のようです。
 
 最近のさまざまな調査、報道はまさしくジニ係数を裏付けています。
 「自殺者最悪、3万4427人」(2003年・警察庁調べ)
 経済・生活問題での自殺者が増えつづけています。昨年は前年比7.1%増で、過去最悪です。50歳台以上の人が60%弱を占めます。
 「出生率過去最低、1.29」(2003年・厚生労働省調べ)
 少子化に歯止めがかかりません。理想の子ども数は2〜3人、結婚した女性の出生率は2.2なのに、「子どもを育てるのにお金がかかる」「子どもの教育にお金がかかる」と子どもを生まない、そして晩婚化、非婚化の流れです。
 「保有金融資産1400万円」(2003年・金融広報中央委員会調べ)
 世帯あたりの平均保有金融資産は過去最高です。しかし平均値ですので、一部の高額保有者により平均値が押し上げられています。中央値は850万円、300万〜400万円が最も多いランクです。
 「失業率は前月横ばいの4.6%」(6月・総務省)
 雇用情勢に薄日が射し始めていますが、男性は4.9%と悪化、女性は4.2%で改善、
15〜24歳の若年者は男性は11.5%と悪化し、女性は7.1%で改善しています。
 「フリーターは2010年には476万人」(3月・UFJ総合研究所)
 フリーターとは、15〜34歳で定職を持たずアルバイトなどの低収入で生計を立てている人(学生、主婦を除く)を指し、現在400万人を超すといわれます。

 かってわが国は、国民総中流、世界でも最も所得格差の小さい国といわれました。しかし、高所得者に有利な税制改正や、相続・贈与税改正、そして証券税制改正などが高所得者を益々富ませ、一方、年金改革や社会保障費負担増をはじめとして、年金課税や定率減税の見直し、そして消費税率引き上げは弱者に痛みの伴う改革です。ますます貧富の格差を大きくしていきます。 富める者はわが子の教育にお金をつぎ込み、医者や弁護士、税理士などの世襲が増えています。国会議員も会社経営者も芸能人からスポーツ選手まで世襲が増えています。ますます富める者は富む、社会の階級化、階層化が進みつつあります。
 ジニ係数の国際比較によれば、わが国は所得格差の大きいアメリカやイギリスと比較的格差の小さいフランス、ドイツ、スエーデンなどの中間に位置します。
 わが国は貧富の差が大きく、歴然とした階級社会があるアメリカ・イギリス社会に徐々に近づきづつあるといわれます。
 この国は、どちらを目指しているのでしょうか。