HOME  FPとは? コラム プロフィールとFP倶楽部  講演と執筆
福井から情報発信! ウイークリーおもしろコラムは如何ですか?なんとしても1年は継続します。ご意見お寄せください。

 NPO法人 日本FP協会会員
 ファイナンシャルプランナー
             
CFP® 認定者
ご意見、ご感想はこちらまで→
NO。139 日米年金協定と第3号被保険者制度 (2004.6.28)
 日米年金協定が4年間の議論の末、今春ようやく合意し協定の調印を見ました。
 同じく、韓国とも協定が調印されました。
 年金協定は正式には社会保障協定と呼びます。
 経済活動のグローバル化に伴い、全世界へ進出するわが国企業が増加の一途をたどる中、海外で長期勤務する社員の数が増えつづけています。
 企業が海外に社員を派遣して長期滞在させると、年金制度がある欧米ではその国の公的年金制度の適用が義務付けられます。一方、わが国では海外駐在の間も社員は厚生年金に加入し続けねばなりません。業務命令での海外派遣、社員に保険料の個人分を負担させられず、給与に手当てとして上乗せするなどの形で企業が実質負担しています。
 年金保険料の「二重払い」になるのですが、企業はやむを得ず相手国での年金保険料を負担しているのが実情なのです。この二重払いを解消しよう、年金通算を可能にしようとするのが社会保障(年金)協定なのです。
 れまでわが国は、ドイツ(2000年発効)、英国(2001年発効)の2カ国と協定を締結していますが、長く米国との締結が望まれていました。
 この度の、日米の年金協定では、相手国に滞在する期間が5年以内であれば現地で公的年金に加入しなくてもよくなりました。また、加入期間が日米の公的年金を合せれ10年以上になれば、老後に米国での滞在期間分の年金を受け取れるようになりました。
 
 米国に滞在する長期滞在者は約20万人超で、そのうち約5万人が給与所得者といわれ、日本企業が1年間に負担する年金保険料の額は約850億円になるのです。
しかも、米国の公的年金は10年以上加入しないと受給権は無く、ほとんどの場合保険料が掛け捨てになってしまうので、企業にとっては大きな負担でした。視点を変えれば、米国からわが国に長期滞在する企業にとっても同様の問題があったのです。
 既に協定が締結されたドイツでは年間約80億円、英国では年間約256億円の二重払いが回避できました。米国に続いて、現在はフランス・ベルギーと協定交渉が続けられています。アメリカは、既に20ヶ国に近い国々と年金協定を締結していますが、わが国はこれでやっと4カ国、グローバル化とは程遠い現状なのです。
  
 実は、日米年金交渉のテーブルで、思わぬ点が大きな議論になり、交渉は難航したといわれます。それは、わが国固有の「第3号被保険者制度」なのです。
 米国側は強く主張しました。「日本の第3号被保険者制度は道理に合わない、認めるわけにはいけない」「保険料を払わなくて年金の加入資格が生じ、将来年金がもらえるのはおかしい」「夫の年金の半分を妻の権利とする制度はアメリカにもあるが」等々です。

 去る6月5日、年金改革法案が成立を見ました。第3号被保険者問題にメスが入ると期待されましたが、結果はまた先送り。しかし、「夫婦の年金分割」が唐突に組み入れられました。当面離婚時のみの分割ですが、法案に「被扶養配偶者(第3号)を有する第2号被保険者が負担した保険料は、夫婦が共同して負担したものとする」と明記されました。
 何か、米国の影が見え隠れするようですね。