HOME  FPとは? コラム プロフィールとFP倶楽部  講演と執筆
福井から情報発信! ウイークリーおもしろコラムは如何ですか?なんとしても1年は継続します。ご意見お寄せください。

 NPO法人 日本FP協会会員
 ファイナンシャルプランナー
             
CFP® 認定者
ご意見、ご感想はこちらまで→
NO。100 消費税が大きく変わる  (2003.9.29)
 
 来年4月から消費税が大きく変わります。ポイントは次の3点です。
 
@ 物やサービスの値段は、消費税を含めた総額表示が義務付けら れます。
 A 免税事業者はこれまでの3千万円以下が1千万円以下に引き下げられます。
 B 簡易課税の選択事業者は2億円以下から5千万円以下に引き下げられます。


 我が国始めて消費税が導入されたのは14年前の1989年、竹下内閣の時であり、
税率は3%、免税事業者は3千万円以下、簡易課税の選択事業者は5億円以下等の内容でした。1997年には消費税率は5%(そのうち1%は地方消費税)に引き上げられ、免税事業者の適用は変わらず3千万円以下、簡易課税の事業者は2億円以下に引き下げられました。そして今回の大改正では、懸案の内税・総額表示方式への統一とこれまで
国民から批判が多く、消費者が支払った消費税の一部が国に納付されることなく事業者の懐に残る「益税問題」にメスが入れられました。
 消費税導入時には、国民や産業界の猛烈な反対を押し切っての導入、反対を和らげるためにも消費者と産業界の両方に配慮し妥協が生まれました。

 
消費者団体は「便乗値上げを防ぎ、かつ判りやすい外税表示であるべき」の主張に対し、「外税表示ではレジシステムなどに巨額な投資が必要」と産業界は猛反対、結果として外税・内税の表示方式の統一を図ることは出来ず、どちらかの方式の選択が認められました。中小企業者は、消費税の導入により消費者の購買意欲が減退する、消費税をきっちり消費者に請求しにくい、消費税額計算・納付のための事務コストが煩雑等々の理由で事業収益に悪影響を及ぼすと反対が続きました。
 そこに生まれたのが、外税・内税表示の選択方式と免税事業者・簡易課税選択事者制度という妥協だったのです。


 「消費税は10%以上へ引き上げが必要」との大合唱が始まりました
 少子高齢化の急速な進展はこれまでのように現役世代から年金世代への仕送りという世代間扶養の方式や将来の年金に備え保険料を支払う社会保険方式ではもう限界が見え始めているのです。既にほころび始めている年金制度を維持するための安定財源がなんとしても必要であり、税率1%で年約2兆5千億円の税収となる消費税率の引き上げが議論され始めたのです。経済界は「2007年度までに消費税を10%に、14年度からは16%」にと提案すれば、政府税調は「2桁の税率引き上げが必要」とハーモニー。小泉首相は「在任中のアップは考えないが、議論は大歓迎」と消費税率アップへの地ならしを始めました。
 
今回の消費税の改正には、消費者の批判が多かった益税にメスを入れることで消費者の消費税に対する反発を和らげ、内税・総額表示方式への一本化で消費税に対する痛税感を薄め、将来の税率アップの狙いが見え隠れします。
 
 
ふと、吉川英治作「宮本武蔵」の末尾の一節を思い出しました。
 「潮騒は世の常である、波にまかせて泳ぎ上手に雑魚は歌い雑魚は踊る、けれど誰か知ろう、百尺下の水の心を、水の深さを」。
 消費税率アップは早晩避けられないのではないでしょうか。

コラム目次へ戻る